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2020.11.09 15:50
アートやデザインを学ぶ最終学年の学生向けのコンペティション「Global Design Graduate Show 2020」に出品された、Paul Mendietaによる「Deploy」は、空気で膨らませるだけですぐに使える貯水タンクである。
この「Deploy」は、手頃な価格かつ持続可能な方法で貯水できる製品を提供するプロジェクトから生まれたもので、きれいな水にアクセスできない開発途上国の農村コミュニティを支援することが目的だ。
タンクの容量は40,000リットルで、500人から2,000人のコミュニティに水を供給できる設計。折りたたんで梱包・運搬が可能なので、世界中のあらゆる場所に設置でき、変形できずにかさばって重いだけの既存のコンクリートインフラの代替物となる。
タンクの素材は、コンクリートを施したファブリックを使用。天井部分にはジオメンブレン、骨組みにはガラス繊維やステンレス鋼を採用している。コンクリート製のタンクに比べ、材料面でも輸送面でもCO2排出量を削減することができる。
Paul Mendietaはエクアドルで親子3代にわたりこの問題に取り組んできたという。世界中で22億人が安全な飲料水を飲むことができず、さらに、きれいな水がないので、インフラなどが脆弱な地域に住む何百万人もの人々がCOVID-19のような感染症のリスクにさらされるなか、「Deploy」は有効な解決法のひとつとなるかもしれない。