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2020.11.06 16:59
ビジュアルアートの力で子どもたちに癒しを提供する米ニューヨークの非営利団体「RxART」は、一線で活躍する現代芸術家に依頼して、美やユーモア、心地よさに囲まれた無菌病室を作り上げているそうだ。
この取り組みの一環として、ワシントンDCにある小児科専門の「チルドレンズ・ナショナル病院」のPET/CT検査室に、アーティスト・村上隆による「お花」が登場した。
PET/CT装置といえば、従来は無表情な外観で、子どもの患者を怖がらせることもあったという。こうしたそっけない表面に村上の笑顔があふれる花や青空、雲といったデザインをあしらうことで、検査室内に楽しげな雰囲気が生まれた。
さらに、検査装置だけでなく、検査室内の壁一面にもお花を採用。これまでの威圧感のある部屋がうきうきとするような空間に変わり、子どもたちが画像検査を受けたときに感じる不安を和らげることにつながったという。
なお、このプロジェクトはRxARTがすべて無償で提供しており、アーティストには謝礼が支払われるほか、子どもたちを癒して彼らの人生を変えるという機会も得ることができる。
同病院の放射線科長であるDorothy Bulasは、「子どもたちが検査を受けることがない方がいいのですが、その必要があるときには、最良のケアで安心させたいのです。この美しいRxARTのプロジェクトは、ケアが行き届いているのだという安心感を子どもたちに与えてくれるのです」と語っている。