エスパス ルイ・ヴィトン東京に、アーティスト ダグ・エイケンの
没入型映像作品「New Ocean: thaw」開催

▲ Doug Aitken, ice forms VII, 2008 (production still form from New Ocean: thaw, 2011). © Doug Aitken. Courtesy of the artist

東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京は、アメリカ人アーティストであるダグ・エイケン(Doug Aitken)による没入型インスタレーション「New Ocean: thaw」を紹介する展覧会を2020年11月13日(金)から2021年2月7日(日)まで開催する。

エイケンは1990年代中頃から映像制作を開始し、ポップアートのイメージから大きくインスピレーションを受けたものを手がけてきた。その作品は、そこかしこに置かれるスクリーンが際立った特徴となっている。

そして、編集と空間の活用に注目する中で、エイケンは単純な枠組みを超えて、根本にある知覚概念に向き合っているという。こうした映像作品には、20世紀の実験映画制作の痕跡と、物語や表現を超えたより幅広いアプローチが見られるそうだ。

今回の「New Ocean: thaw」では、抽象化の一歩手前とも言えるイメージが万華鏡のようにめくるめく映し出され、アラスカの景色、その空、解けゆく氷河が展開されることになる。

自然の広大さに関連して生じる、ロマンティックな感情に迫るこの作品の投影形式(ほぼ半円形をなすように配置された3面スクリーンを2組設置)は、19世紀のパノラマ絵画を彷彿させるものである。

しかし、エイケンが広大さの詩情を新たな視点で捉えている今この時は、環境の大惨事が際立つ21世紀の夜明けである。固定したイメージ(氷)であると同時に、動くイメージ(水)でもあるこの作品は、写真と映画の間にあるとしている。

この作品において最も困惑を生じさせる中間域は、自然と人為の間の曖昧さである。太陽は、レンズによるフレア現象や色収差を呈して崩れ散乱する一方、氷河の音は編集され、電子音とミキシングされている。End

DOUG AITKEN「NEW OCEAN:THAW」

会期
2020年11月13日(金)~2021年2月7日(日)
開館時間
12:00~20:00
※休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準じる。
※入場無料・予約不要
※会場内の混雑防止のため入場待ちを行う場合あり。
会場
エスパス ルイ・ヴィトン東京
詳細
https://www.espacelouisvuittontokyo.com/