ベイルートの建築家 リナ・ゴットメが設計
フレキシブルで実験的なホテル「Zero carbon hôtel」

▲ Photo:Takuji Shimmura

昨今のホテルでは、バーやカフェテリア、コワーキングスペースなどが設置され、ロビーがオープンになって共有スペースが拡張してきたが、一方、ホテルの客室のベッドが動かせないなどの制限があり、それほど進化していないのではないだろうか。

そこで、ベイルート出身の建築家 リナ・ゴットメは、こうした客室を刷新して、流動性が高まる状況に合わせた「Zero carbon hôtel」を提案している。

▲ Photo:Takuji Shimmura

彼女によれば、ホテルというものは、フレキシブルでハイブリッド、そして可能性を秘めた実験の場であるという。環境への意識の高まりによって資源の節約が求められており、ホテルの客室もよりサスティナブルなモデルになりうるのである。

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

この「Zero carbon hôtel」は、仕事をしたり、ミーティングをしたり、人をもてなしたり、睡眠をとることもできる空間で、ユーザーにとっては、都市を探索するために一時的に住むことも可能だし、自宅の延長のような空間としてより長期にわたる滞在も実現できる。

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

組み立てたものを置くスペースはなく、客室というよりもむしろ短期間滞在するためのツールボックスのようなもので、木材を使用し、天然繊維で壁を覆うことで音を遮断。ベッドからクローゼット、テーブル、椅子、シャワー、トイレまで、必要に応じて機能や要素を展開したり隠したりでき、モジュール設計なのですばやく組み立てられ、メンテナンスと清掃も簡単だという。

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

客室の面積は24平米で余分な装飾はなく、空間のデザインそのものが装飾となる。窓は街に向かって大きく開き、照明は壁に内蔵。リユースをテーマとしており、シャワーのピンクのフローリングは砂からできたものを、バスルームのタイルは回収した素材でできたランダムなパターンを採用。プレートはムール貝の殻から、寝具はリサイクルされたリネンから作られており、土の床に素足で触れると心地よさを感じられるそうだ。End

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura

▲ Photo:Takuji Shimmura