NEWS | カルチャー
2020.10.30 15:30
昨今さまざまな場面で活用されている3Dプリンタだが、材料が出過ぎたり、出にくかったり、積層にムラが出てしまったりという失敗もあるだろう。だが、こうした不具合をファッショナブルな機能に変えようとする試みがMITメディアラボで行われている。
今回大学院生のJack Formanが開発した「DefeXtiles」は、よくある3Dプリントの欠陥であるポリマーフィラメントの押し出し不足を制御することによって作られた、チュール状のテキスタイルである。
一般的な手ごろな値段の3Dプリンタを使い、押し出し不足によって「グロブストレッチ(glob-stretch)」と呼ばれるパターンを作成。これをもとに編み込んだような構造をもつシートや複雑な3Dオブジェクトを形成した。
できあがった柔軟で薄いシートは、インタラクティブなランプシェードや一般的なスカート、野球場のダイヤモンド全体に伸ばして広げられるロール状のファブリック、複雑な模様のあるレースなどにすることができたという。
Formanによると、この素材はファッションデザインのプロトタイピングやカスタマイズにすぐにでも使えるし、将来的には、可変的な機械的性質を備えた3Dプリントによる手術用メッシュなどとしても使えるのではないかと考えているそうだ。