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2020.10.28 15:40
夏になると建物自体が熱を吸収して、室温が高くなることがある。これにより、私たちは長時間にわたってエアコンが必要となってしまう。
そこで、米パデュー大学の研究チームは、建物の表面温度を周囲よりも約7℃も低く保つことができる白色塗料を開発した。この塗料は太陽の熱をほとんど吸収せず、建物から熱を放出することができるそうで、エアコンの使用も抑えられるとしている。
また、建物の外装だけでなく、道路や屋上、自動車など、さまざまな表面にこの塗料を塗ることで、地表の温度を下げることもできるという。
従来の「遮熱塗料」は太陽光の80~90%しか反射せず、周囲より低い温度を実現することは難しいそうだが、今回開発された白い塗料は太陽光を95.5%反射させるもので、赤外線による輻射熱を効率的に放出する。
塗料には、岩や貝殻に含まれる豊富な化合物である炭酸カルシウムを配合。これは塗料の増量剤に使われる化合物で、市販の白色塗料と基本的には同じ配合だが、冷却特性は大幅に向上している。
こうした炭酸カルシウムの増量剤は、原子構造として大きな「バンドギャップ」ができるので、紫外線をほとんど吸収せず、さまざまなサイズの粒子が高い濃度で含まれているために、幅広い範囲の波長を散乱させることができる。
研究チームの試算では、コスト面でもこの塗料のほうが市販のものよりも安価に製造でき、約1,076平方フィート(約100平米)の平屋の建物で使われるエアコンを、1日あたり約1ドル(約104円)も節約できるそうだ。