NEWS | 建築
2020.10.27 16:50
建築家・松本哲哉が率いるKTXアーキラボが設計を手がけた結婚式場・ラヴィーナのための「Cloud of Luster Chapel」は、水盤に浮かぶ雲をイメージしたチャペルである。
結婚式場内に位置するチャペルの建て替え計画で、クライアントからは新郎新婦にとって特別な日を、より特別な日にする非日常的な風景が求められたという。
チャペルの輪郭はすべて曲線で描かれており、その軌跡に沿った曲面ガラスが空間を包み込んでいる。曲面ガラスやステンレスサッシなどの制作コストを抑えるため、軌跡の半径は2500ミリに規格化されているという。
そして、雲形の屋根とそれを支える柱を緩やかな曲面でシームレスにつなぎ、天井面には一切の設備を配置せず、照明や空調吹出口は全て床面に設置することで、空間を覆う雲を淀みのないものにしている。
また、床面は透明なガラスビーズを樹脂で固めたものを採用。これにより、日差しによって水盤のようにキラキラと光るフロアができあがった。
このチャペルは「エル・ブランシュ(白い翼)」と名付けられたそうで、ここから羽ばたく新郎新婦の新たな門出の象徴となっている。