NEWS | プロダクト
2020.10.22 16:22
フランス人デザイナー、グエナエル・ニコラにより東京に設立されたデザインスタジオ「CURIOSITY(キュリオシティ)」から、ニコラのモノへのこだわりを形にした、新しいプロダクトコレクション「TEN TEN TEN…(テンテンテン)」が登場した。
▲同じ角度の傾斜で統一された急須と湯呑みは、400年の歴史を持つ朝日焼きの作家、十六世松林豊斎によるもの。
グラスやカップ、ポットなど、日常的に使う物が、機能と用途そのままに、みんな同じ形だったら?という想像から生まれたこのコレクション。別々の機能、多様な素材、異なる大きさのアイテムを、同じ70度という微妙な傾斜をつけた円筒形というフォルムで統一して製作した共同プロジェクトだ。
▲茶筒は日本で最も長い歴史を誇る老舗、開化堂で作られた。
▲涼しげなグラスは、京都・祇園の吹きガラス作家、佐藤聡の「PONTE」の作品。
単に生命の宿らない静物としてとらわれがちな「モノ」でも、少し変わった形を纏うことによって、その佇まい、置かれる場所や姿、手に取る時の所作を掌ることができる。そのような感覚を、使う人と共有する愉しさが示されている。
▲釘を使わず美しく仕上げる、伝統的な木桶の技術を使ったワインクーラーは、中川木工芸の中川周士の作品。
▲漆器の工房・3代西村圭功漆工房の手がけた、漆の色彩が特徴的な菓子器。
コレクションを作るにあたり、京都の老舗、西陣織の細尾と協力。多様な技と仕上げを取り揃えるため、京都を中心に優れた伝統技術の職人に参加を呼びかけた。
▲西陣織の老舗、細尾の美しい織物で包まれたユニークな茶櫃。 捻って開くと、中から同じ傾斜で整えられた茶器が現れる。 伝統的な金網製法を貫く金網つじの辻徹による手編みの籠が、そのベースになっている。
現在、製品化されているのは12種類。さらに多様な企業、職人とのコラボレーションを広げ、より多くのアイテムを作りたいと考えているそうだ。