NEWS | プロダクト
2020.10.19 15:31
本サイトにも紹介した「プティ トワレ」は、芝浦工業大学デザイン工学部・橋田規子教授が、子どもなどのためにデザインした乳幼児用便器である。
乳幼児施設のトイレには感染症予防の観点から、流しやすさ、飛沫防止、掃除のしやすさなど高い衛生レベルが求められているという。さらに、現代の子どもたちの食生活や生活リズムの変化から、便秘の低年齢化も起こっており、排泄の重要性も注目されているそうだ。
また、保育施設における低年齢児のトイレなどでは、介助のために個室を設けず、便器そのものが目に入りやすい場合も多く、便器自体の存在感が高まることから、シンプルでデザイン性の高い衛生器具が求められていた。
そこで橋田は、子どもが排便しやすい便座形状を実現するため、座面着座時の体圧分散、坐骨結節間距離などを計測。座るだけで自然と排泄しやすい姿勢が取れるように検証を行い、やや前傾の姿勢を取るものとなった。
さらに、衛生管理のためにワンタッチで便座が取り外せる構造を開発、全体的に凹凸の少ない形状として清掃性を高めている。
子ども特有の使用後の流し残しに対しても、タンクの洗浄レバーを、大小流し分けがない下向きへの一方向式とし、指をかけやすい形状でデザイン。小便器はフチに返しがなく壁面に汚れが伝いにくい設計で、目皿奥部が少し浮く形状にすることで清掃時に取り外しやすくし、よりスムーズな日常清掃を可能にした。
なお、同製品は「2020年度グッドデザイン賞」、「第14回キッズデザイン賞 奨励賞(キッズデザイン協議会会長賞)」、および「第8回かわいい感性デザイン賞 最優秀賞」の各賞を受賞している。