MITらの研究チームが、空気から直接飲料水が
抽出できるシステムを開発

▲ Image:Alina LaPotin

乾燥した地域では飲料水を確保するのはなかなか難しいが、マサチューセッツ工科大学などの研究チームは、太陽やその他の熱源からの熱を使うことで、乾燥した場所でも空気から直接飲料水が抽出できるシステムを開発している。

このシステムによって、水や電気が十分に得られない遠隔地において実用的な水源を確保できる可能性があるとしており、3年前のプロジェクト開始時に比べて、出力を大幅に向上させることができたという。

▲ Image:Alina LaPotin

その仕組みは、デバイス内の温度差を利用するもので、まず夜間に吸着材を外気にさらして、その表面に空気中にある水分を吸着させる。次の日の日中には吸着材を太陽の熱で温め、暖かくなった上部と影になった下部のあいだに温度差を生じさせることで吸着材から水分を放出させ、取り付けられたプレートで水分を凝縮させるのだ。

▲ Image:Alina LaPotin

さらに、このプレートで発生した凝縮熱を使うことで、その下にある第2の吸着材の層からも水を作り出すことができる。

デバイスにはこれまで、高価で入手が難しい「金属有機構造体(MOF)」と呼ばれる特殊な材料が必要で、なおかつ水の生産も実用化できるほどの量ではなかったようだ。

そこで現在は改良を加え、脱着と凝縮を行う第2段階を設け、ゼオライトという手頃な吸着材を採用することで、生産量が大幅に増加。将来的に実用可能な製品として、スケーラビリティも大幅に改善したそうだ。End