川越の古い蔵を再構築
スキーマ建築計画による「T-HOUSE New Balance」

▲ 撮影:長谷川健太

埼玉県川越市から東京・日本橋浜町に古い蔵を移動させ、それを再構築するとともに新たな空間を作るプロジェクト「T-HOUSE New Balance」をスキーマ建築計画が手掛けた。

▲ 撮影:長谷川健太

▲ 撮影:長谷川健太

ただ、移築とはいえ、移動してそのまま建てるわけではなく、それを覆うようにまったく異なる構造で新築。その中に移築した軸組を組む計画で、まるで博物館の古民家展示のようになりかねないものだったが、その「ハリボテ感」からこのプロジェクトの考えが始まった。

▲ 撮影:長谷川健太

▲ 撮影:長谷川健太

このT-HOUSEは、ニューバランスがブランドをリードする原動力「エナジープロジェクト」として設立した新しいスペースで、キャラクターとして日本らしさが期待され、すでに蔵の移築が承認を受けて進んでいたという。

▲ 撮影:長谷川健太

▲ 撮影:長谷川健太

そのあとに同事務所に依頼があり、最初にその依頼を聞いた時、日本らしさを意識させられるプロジェクトだが、そのままそれを演じるわけにはいかないと悩んだそうだ。

しかし、その蔵の骨組みを組んでいる職人が、偶然にも、その蔵の柱にもともと刻まれていた貫部分を利用して即席掃除用具置場、つまり「まかない家具」を作っているのを見たことがきっかけとなり、「建築、そしてこのハリボテの蔵の骨組、さらにそのさきにその骨組みを利用し機能を与えることで、そのハリボテが機能しハリボテじゃなくなる」と考えた。

▲ 撮影:長谷川健太

▲ 撮影:長谷川健太

▲ 撮影:長谷川健太

地上2階建て、延べ床面積123.08平米。1階はストアとギャラリー、2階は新ブランド「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance」のオフィスとして使用している。End

▲ 撮影:長谷川健太