乃村工藝社は、JR東海グループの東京ステーション開発による、東海道新幹線700系車両のアルミニウムを建材化して、東京駅八重洲北口コンコースおよび専門店街「東京ギフトパレット」の内装材としてアップサイクルするプロジェクトに参画した。

700系新幹線は2019年3月に東海道新幹線から引退。建築基準法にも適合した高品質なアルミニウム合金で製造され、環境に配慮した塗料を使用するなど、汚染物質が含まれていないエコロジカルな車両だという。

このプロジェクトでは、700系新幹線で使われたアルミニウムを、高品質を維持しつつ混合物を含めない再生アルミニウムとして活用。乃村工藝社は、建材化の開発段階から携わり、環境エリア内装工事における制作・施工プロデュースおよびプロジェクトマネジメントを担当した。

再生アルミニウムは、「東京ギフトパレット」の柱や天井などに使用。「桜の花びら」や「のれん」をイメージしたターミナル駅にふさわしい装飾を施した。これにより、従来の脱酸材への再生利用から、700系新幹線ならではの高品質と上質感を活かした、付加価値の高いサステナブルな空間装飾ができあがった。

なお、こうした再生アルミニウムを商業空間の装飾に使用することは、1964年の新幹線運用開始以降初めての取り組みで、一般社団法人日本アルミニウム協会の開発賞も受賞している。