数字という記号を表現言語の中核に位置付け
アーティスト・宮島達男の展覧会「Uncertain」開催

▲ 宮島達男「Painting of Change」の一部、2020
協力:SCAI THE BATHHOUSE 写真:表恒匡

アーティスト・宮島達男の展覧会「Uncertain」が2020年11月7日(土)から12月12日(土)まで東京・谷中のSCAI THE BATHHOUSEにて開催される。

宮島はこれまで、数字というユニバーサルな記号を表現言語の中核に位置付け、1と9の間を行き来する発光ダイオード(LED)の明滅によって、生と死やその周囲との複雑な関係性を力強く、また端的に表現してきた。

同展では、新作の絵画シリーズ「Painting of Change」を公開。1から9までのデジタル数字が7つに分割されたセグメントによって壁面に表現される作品である。

▲ 宮島達男 「Painting of Change」 2020
協力:SCAI THE BATHHOUSE 写真:表恒匡

大小さまざまな5つのシリーズが並んだ展示室内には、特製の多面体サイコロがひとつ置かれるそうで、あらかじめ決められた周期に従ってサイコロが振られ、出た目に応じてセグメントを引いたり、また戻したりしながら壁面の数字が変化していくという。

この作品は、鈴木大拙に強い影響を受けており、東洋の「易」を通じて画期的な作曲方法へと辿り着いたジョン・ケージの「Music of Change」にも直接的に言及。量子力学に影響を受けながら、物事を真に予測することなど人間には不可能であり、またその展開はつねに偶然性に委ねられている、と考える宮島の世界観を端的に表しているそうだ。

▲ 宮島達男「Unstable Time」 2020
協力:SCAI THE BATHHOUSE 写真:表恒匡

また、「Unstable Time」では、螺旋、円、直線などの形状で白い布に縫い付けられたLEDの数字が、各々のリズムで明滅。柔らかく、どのような形にも変化する布という素材を用いて、会期中にさまざまに姿を変える同作は、これまでの宮島作品の主役となっていた大きな電子回路基盤の解体を自ら促し、変容を受け入れる態度を示唆している。End

宮島達男展覧会「Uncertain」

会期
2020年11月7日(土)~12月12日(土)
12:00~18:00 日・月・祝日休廊
会場
SCAI THE BATHHOUSE
詳細
https://www.scaithebathhouse.com/ja/