ISSEY MIYAKEは、2021年春夏コレクション「UNPACK THE COMPACT」をパリ・ファッションウィークで発表。COVID-19の流行を踏まえ、ランウェイショーを思わせるオリジナルの映像作品が、オンラインにて配信される形式がとられた。

「服をコンパクトに収めて世界中の人々の元へ届けるとともに、それを開けるときの驚きと歓びを感じてもらいたい」。

デザイナー近藤悟史の想いから生まれたさまざまな服の提案。その世界観を伝える展示空間、コマ撮り、映像などのデザインには、田中義久、岡崎智弘、林 響太朗らが名を連ねる。

2020年秋冬コレクション発表の時期にパリへ送る荷物の量を目の当たりにした近藤は、次回のコレクションは服がかさばらないように、極力量を減らせないかと考えたという。そこから、ひとつの箱にすべてのルックを収めるイメージに着想を得て、コンパクトな服づくりへの取り組みが始まった。

今回のコレクションで提案しているのは、畳む、重ねる、束ねる、丸めるなど、服の特徴を活かした、小さく収めるデザイン。機能性や利便性という概念を超えて、手に取り広げるときのかたちの変化が、手に取った人に驚きと歓びをもたらすことを目指している。

▲ボディの型を用いて立体成形された柔らかなベスト「FORM BODY」

▲いくつものパーツをファスナーで自由につなぎ合わせることができる「OUT A PIECE」

▲「着る→畳む→運ぶ」をコンセプトに服とバッグが掛け合わさった「TO GO」

▲スポンジのように伸縮するニットシリーズ「SPONGY」

▲「部屋を着る」という発想のもと、1枚絵の布を中心に紐を使って服が仕上がる「TEMPORARY ROOM」

パリ・ファッションウィークで発表された映像では、従来のランウェイショー形式で服を見せながら、「コマ撮り」と「展示」という表現方法を取り入れて、違う視点から服を取りあげている。

倉庫にできた、服が生きているように展示される不思議な空間を背景に、モデルたちが展示を巡り、廊下を渡る。この一連の流れを刻むのは、服の構造を表す生き生きとしたコマ撮りの映像で、終盤に向けて服が段々とコンパクトになり、箱に詰められていく。コレクションを箱ごとに発送し、また別の場所で再開する想いが込められている。

発表された映像は、以下より視聴が可能。近藤悟史の服づくりへの果敢な挑戦、またその世界観をオンラインで伝えるさまざまなデザインに注目されたい。

ISSEY MIYAKE: SPRING SUMMER 2021 COLLECTION

Photos © ISSEY MIYAKE INC.