水素を燃料とするゼロエミッション航空機の
コンセプトモデル「ZEROe」のデザインが公開

エアバスは、主な燃料として水素を用いた世界初のゼロエミッション民間航空機として、3つのコンセプトモデルを公開した。それぞれ異なるアプローチでのゼロエミッション飛行を目指している。

いずれも「ZEROe」と名づけられたコンセプト航空機で、ひとつめは「ターボファン」タイプ。乗客は120~200人、航続距離は2,000海里(約3,700km)以上の大陸横断型で、ジェット燃料ではなく水素で飛行する改良型のガスタービンエンジンを搭載する。燃料となる液体水素は後部圧力隔壁にあるタンクから供給されるという。

▲ Airbus ZEROe Turbofan Concept

次いで、「ターボプロップ」タイプは、ターボプロップエンジンを搭載したプロペラ機で、同じく改良型ガスタービンエンジンで水素を燃焼させるもの。1,000海里(約1,850km)以上を飛行でき、最大乗客は100人と短い距離の移動には最適だそうだ。

▲ Airbus ZEROe Turboprop Concept

そして、翼と胴体が一体的に設計された「ブレンデッドウィングボディ」タイプは、「ターボファン」タイプと同程度の航続距離をもち、最大乗客数は200人を想定。胴体は横に広くデザインされているのが特徴で、液体水素を翼の下にあるタンクに貯蔵することで、さまざまなキャビン・レイアウトが可能になるとしている。

▲Airbus ZEROe Blended Wing Body Concept

同社では、2035年までにはこれらを就航させたい考えで、航空機業界全体の脱炭素化に向けた取り組みをリードすることが目標だ。End