NEWS | ソーシャル
2020.09.10 14:37
東京藝術大学は、東京都建設局と共同で、東京・上野の上野公園内にあるトイレを改修し、「上野トイレミュージアム」をオープンさせた。
同施設は、同大学から東京都に提案を行い、同大学の学生が企画したもの。工芸、絵画、デザインなど、それぞれの科の得意分野を活かして創作されたトイレで、その名称には上野に点在する多様な文化施設のひとつとなるように、という思いが込められている。
個室のなかには一頭の野生動物とその生息環境が描かれており、タイルからは消化のかたちが、手摺からは食物の感触が、流水音からはその息遣いが伝わってくるという。
「体内」と「自然」というふたつの循環のあいだにある「からだ」を、五感を使って取り戻す空間で、トイレを出て入口で振り返ると、私たち人間のからだも、そんな動物たちと変わらない原理を持ち合わせていることを改めて思い出す仕掛けとなっている。
一人ひとりのなかにある小さな循環を、地球という大きな循環のなかに再発見していくことがねらいで、用を足す前と後で何かが変わったと感じる「トイレミュージアム」であることを目指したそうだ。
このトイレの設計・監理は、大学院美術研究科建築専攻中山英之研究室が担当。作品制作は、大学院美術研究科建築専攻、陶芸専攻、鋳金専攻、デザイン専攻、絵画専攻、大学院音楽研究科・音楽学部の学生有志が手がけている。