Tangentの吉本英樹がデザインした
シンプルに凛とする「LEXUS DESIGN AWARD」の新しいトロフィー

▲(左)ファイナリスト用トロフィー:川連漆器 艶消し黒色仕上げ
 (右)グランプリ用トロフィー:川連漆器 白檀仕上げ

ロンドンを拠点とするデザイン・エンジニアリング・スタジオ「Tangent」の代表・吉本英樹は、同氏がデザインした、レクサスが主宰する「LEXUS DESIGN AWARD」の新しいトロフィーを公開した。

同氏は、LEXUS DESIGN AWARDの第1回受賞者。「今回のデザインでは、これから長くアワードの顔として使われるように、奇を衒わない、シンプルに凛と佇むような造形、その中で大胆さと繊細さが『二律双生』するようなデザインを目指しました」と語る。

シンプルな角柱を一枚の曲面で切り取るように分割することで、その分割面にレクサスのアイコンである「スピンドルグリル」のようなくびれ形が出現。大きな岩を割った裂け目から生命力ある光が湧き出す、一見そうとは見えないものの内側に実はエネルギーが秘められている、といったイメージなのだそうだ。

また、このトロフィーは、燻した木材から彫り出し、秋田県の伝統工芸品である川連漆器の漆塗り技術を使って仕上げた。レクサスのものづくりにおいても「匠」という言葉で表される、技を極めた職人の仕事は重要視されている。そのようなブランドだからこそ、今回のトロフィーでも職人の手作りにこだわった。

漆の色は2色あり、ファイナリストにはレクサスのブランドカラーのひとつであり、漆器の王道である黒のトロフィーが、グランプリには漆器独特の仕上げである白檀のトロフィーが贈られる。

白檀は木地を銀粉でコーティングし、その上に透漆を塗ったもので、褐色透明な漆の下から銀の煌めきが静かに透ける、幽玄の美といえる非常に美しい仕上げを採用。

漆の褐色は紫外線を受け、数年から数十年の時間をかけて徐々に透明に変色するそうで、最初は暗い褐色の向こうに微かに光るような金属光沢が、将来より明るい煌めきに変わっていく様子は、受賞者のキャリアの始まりを象徴している。End