NEWS | 建築
2020.09.04 17:41
Zaha Hadid Architectsは、ロシア・モスクワ地下鉄の新駅「Klenoviy Boulevard Station 2」の設計コンペで勝利を収めたことを発表した。
年間のべ25億⼈、1日に最大で1000万人の乗客を運ぶというモスクワ地下鉄。都市の人口はこの20年間で300万⼈以上も増えて1250万⼈を超え、これに伴ってモスクワ地下鉄も延伸を続けている。
そのなかで、「大環状線」と呼ばれるBolshaya Koltsevaya線は市内で3つ目の環状線で、2018年に開通。現在は5駅しかないが、すでに約5,800万⼈の乗客が利用しており、数年後には全線が完成予定、全⻑は約70 kmにもなるという。
今回、同事務所が設計を手がける「Klenoviy Boulevard Station 2」は、モスクワ南東のNagatinsky Zaton(ナガチンスキー・ザトン)地区の中⼼に位置する。南部へ至る別の新線の乗換駅にもなり、付近にはコローメンスコエ野外文化財博物館やモスクワ川のほとりにある390ヘクタールの自然公園もある。
駅全体は直感的に経路が把握できるデザインを採用。次世代の地下鉄駅として、革新的な照明システムや乗客情報システムを導入する。
プラットフォームにはいくつもの柱が並ぶが、空間を移動するごとに少しずつ形が変化するそうで、これはプラットフォームの中⼼からの距離を示すためのものである。この柱は「⽮印」となり、天井やフロアに施された線状の照明システムとともに乗客を誘導するそうだ。
駅の照明はその場を照らし、乗客を案内するためのものだが、プラットフォームでは照明が乗客に列車の到着を知らせ、さらにダイナミックな照明システムとすることで、駅全体にわたって乗客の流れを作り出す計画だ。