▲《潮》展示風景 / Installation view of Shio 潮 | オーガニックコットン・琉球藍 | 2020 / Shio | Organic cotton, ryūkyū indigo | 2020 デザイン・監修・制作:キッタユウコ、染色:澤野孝(Kitta)シャルロット・デュマとのコラボレーション Design, direction and production: Kitta Yuko, Dyeing: Takashi Sawano (Kitta) in collaboration with Charlotte Dumas, ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
エルメス財団は、オランダ・アムステルダムを拠点に活動する写真家・アーティストであるシャルロット・デュマ(Charlotte Dumas)の展覧会「ベゾアール(結石)」を開催している。会期は2020年8月27日(木)から11月29日(日)までで、会場は東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラム。
▲ 展示風景 / Installation view, ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
▲展示風景 / Installation view, ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
1977年、オランダ・フラールディンゲン生まれのデュマは、現代社会における動物と人の関係性をテーマに、騎馬隊の馬や救助犬など、20年にわたって人間と密接な関係を築いている動物たちを被写体としたポートレイト作品を発表。2014年からは日本でも現存する在来馬を撮影しているという。
▲依代 | 4K ヴィデオ| 2020 | 19’35” / Image from Yorishiro | 2020 | 19’35” | 4K video
© Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam, ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
▲Image from Yorishiro | 2020 | 19’35” | 4K video | Japan, :© Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam
今回は近年の映像作品3点を中心に、動物と人間の関わり合いを再考。「ベゾアール」とは動物の胃や腸のなかに形成される凝固物のことで、医学的な現象でありながら、その石は古い伝承においてお守りや神秘的な想像と結びつくこともあったそうだ。
▲展示風景 / Installation view, ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
そこでデュマは、馬の撮影を通じて発見した原始の風景を紐解くように、馬と関連する品々や史料との対話を試み、生と死について問いかけている。
▲Wave | 2017 | 80 x 109 cm | High pigment inkjet print, © Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam
▲Grace | 2012 | 90 x 120 cm | High pigment inkjet print | Arlington National Cemetery Virginia, © Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam
人間は自然の一部として、動物や植物などと共存して生きていくものである。ここで紹介するベゾアールや埴輪、木馬などの品々は、共存のひとつの証でもあり、デュマの写真作品とともに生の儚さをアレゴリカルに伝えるものとなるあろう。
▲Yuzu and Urara | 2017 | 80 x 1109 cm | High pigment inkjet print, © Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam
また、同展では、デュマが数年来協働を続けるテキスタイルデザイナーのキッタユウコによる藍染めの布を用いたインスタレーションや、建築家の小林恵吾と植村遥による会場構成などにより、デュマの紡ぐ物語をいくつかの視点から見つめることができる。