NEWS | 建築
2020.08.31 16:11
中国の建築スタジオ L&M DESIGN LABは、同スタジオの上海にあるオフィスのリノベーションを手がけた。「Mirror Bridge」と題する、1990年代に作られた住宅エリアにある1階のフラットをモダンなオフィスに改装するプロジェクトである。
かつては暗くて狭いスペースだったそうだが、これを「タイムトンネル」のようにすることで、明るさと活気が生まれ、夢や空想の雰囲気を感じさせるものとなった。
もとのスペースは幅3.3m、奥行き20mと縦長のレイアウトで、2部屋と小さくて暗い中庭が設けられていた。手狭なうえに日当たりや通気性に乏しく、先進的なスタジオのイメージとはかけ離れたものだったという。
そこで、今回のプロジェクトでは、「細長い」と「暗い」という大きな課題に取り組むために、空間を区切ったり人工照明を取り入れたりするのではなく、ユニークである直線的な空間を残しつつ、空間スケールの最適化と自然光の反射の最大化を目指した。
1階の室内に貴重な日光を採り入れながら、直接の反射によるオフィスエリアの強い光を抑え、ぱっとしない通路を楽しいものにするため、ひねりをくわえたステンレスミラーを設置。これにより、シルバーに輝く渦を巻くような空間が生まれた。
このひねった金属表面によって、室内で光が幾重にも反射して明るさが増すとともに、幻想的なタイムトンネルのような体験を演出。一方、オープンなワークエリアは両サイドの窓から風が通り、屋内での作業環境は大幅に改善したそうだ。
その上で、建築スタジオとして完璧に仕上げるために、合理性と魔法のような魅力を同時に追求する「Logic & Magic」という理想を掲げた。ミーティングルームの横には多機能収納スペース「logic belt」を設け、そこからキッチンや中庭、オフィスに至るステンレスミラーのエリアを「magic belt」とすることで、2つの側面をもった新しい空間ができあがった。