ニューヨークのタイムズ・スクエアを運営、管理するタイムズ・スクエア アライアンスと、ポスター専門の博物館、Poster Houseが協力し、ポスターを通して衛生管理の呼びかけやエッセンシャルワーカーに対する感謝と連帯のメッセージを伝える「Citywide Public Art Project」を実施しました。4月17日からニューヨークの象徴であるタイムズスクエアの電光掲示板と、市内にある1774箇所の電光掲示板に投影されています。
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「Citywide Public Art Project」には、市民参加による芸術活動のプラットフォーム、For Freedomsとビジュアルデザイン誌「PRINT」も協力しています。また、イラストレーターのMaira Kalmanや、デザイナー兼イラストレーターのMatt Dorfmanなど20名のクリエイターが、「Citywide Public Art Project」からのポスター制作依頼を受け参加しています。
「Citywide Public Art Project」のポスターは、メッセージの内容もさることながらビジュアルの美しさや遊び心溢れるデザインで、何度見てもその魅力を感じ続けることができます。マイラ・カルマンさんのポスターを眺めていると「あのイラストの左右の横顔の意味は何だろう?」と気になり、マット・ドーフマンさんのポスターでは「なぜ6feetが繰り返されているんだろう?」と問いかけたくなります。記憶に残る表現と見るタイミングと状況によって人々に気づきを与えるポスターに、グラフィックデザインの力を再認識させられます。
Poster House
ニューヨークを拠点とするポスター専門の博物館。過去160年間のポスターを調査し、展示する。2019年6月オープン。
小林弘和(新潟県生まれ)と山田春奈(東京都生まれ)によるクリエイティブ・ユニット。長岡造形大学卒。2004年SPREAD設立。「カラーとコンセプト」を特徴にプロジェクトに深く関わりながら、グラフィック、プロダクト、エキシビションなどのデザイン&ディレクションを行う。主な代表作は、「国立新美術館開館10周年」記念ビジュアル、ジャパン・ハウスロンドン展覧会「Living Colours」「Biology of Metal」、「燕三条工場の祭典」、「Life Stripe」など。