NEWS | 建築
2020.08.20 18:20
木質建材の輸入・企画・製造・販売を展開する「MARUHON FUKUOKA」のオフィス&ショールームが2019年に竣工した。建築設計は香取建築デザイン事務所、ディレクションはフィールドフォー・デザインオフィスが手がけた。
建設地は、緑溢れる豊かな自然が残る福岡市浄水通りに位置している。そこで、周辺環境との親和性を考えつつ、新しいビジネスを主張するランドマークにもなるように、建築デザインで企業のアイデンティティを表現することを目指したという。
敷地は20坪ほどで、ワークスペース、400点余りの商品ストック、プレゼンテーションスペースが求められた。これらを効率よく集約させるために、建築・家具・商品が三位一体となるコンパクトな空間を構築。商品・素材・構造寸法を主軸に適切なモデュールを導き出し、煩雑になりがちな空間に統一感を与え、多種多様な表情や質感の商品と調和させた。
敷地の角を和らげるオーバル型プランは、半地下から2層吹抜けの縦方向に展開。「木」の魅力を最大限に体感できるように、開口部を極力抑えて木材に包み込まれるような空間とした。
外壁には天竜杉を採用。陰影を強調させつつ建物外形をシームレスに繋げられる形状とし、素材本来の魅力を引出す草木染を施して、エイジングとともに街並みに調和することを意図したそうだ。
構造体がそのまま仕上げになるため、綿密な施工計画と高い精度管理が求められ、職人の技術と経験がこれらを支える重要な要件となっている。