サムスン電子が主催、デジタルアートコンペ「The Wall」
革新的な技術を駆使した優勝作品を公開

▲ Dev Harlan「Areo Gardens I – Attraction」

サムスン電子は、メディアアート・プラットフォーム「Niio」と共同で開催していたデジタルアート・コンペティションの優勝者を発表した。

同コンペでは、2020年1月30日から3月30日にかけて、「デジタルリアリズム」をテーマに、サムスンが手がける高品質の大型ディスプレイ「The Wall」の革新的な技術を駆使した、芸術的表現の限界を超えるデジタルアートを募集。

59か国・494作品の応募作品から、米ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするアーティスト Dev Harlanの「Areo Gardens I – Attraction」に最優秀賞を授与した。

この作品は、砂漠にある庭園のなかで大きな岩どうしがぶつかり合うという、目に見えない力を表現したもの。砂漠の庭園は、太陽系の惑星に見られる自然の地質がもつ、超現実的で崇高な側面を反映したシリーズのひとつであるという。

アニメーションでは火星の表面にある石の彫刻の庭園を描いており、物理法則に反する動きが現れる。岩は、カリフォルニア州のジョシュア・ツリー国立公園のハイキングコースで発見したもので、舞台はNASAの火星探査車 キュリオシティが進む火星のクレーター「ゲール」付近に設定したそうだ。

準優勝は、イスラエル・テルアビブを拠点とするアーティスト Ohad BenitRoni Azgadによる「Ho Me」が受賞。人間と機械の関係、コンピュータ操作とそのクリエイターの関係を探る短編作品で、テクノロジーによって美しいものを観ることができるが、それと同時にどこか疎外されたような感覚を呼び起こしている。

▲ Ohad Benit/Roni Azgad「Ho Me」

また、第3位は、カナダ・トロントのビジュアルアーティスト Alex McLeodによる「The Gallery」が選ばれた。鑑賞者ははじめにアート展を体験するが、速度や音声からそこになにか他のものが表現されていることがわかるのだ。

▲ Alex McLeod「The Gallery」

なお、これらの受賞作品は、アメリカ、イギリス、タイ、韓国のThe Wall展示施設にて公開される予定となっている。End