地域に根ざした「リンゴ」の栽培文化をテーマにした
イタリアの「Apple Hotel」

▲ © Alex Filz

イタリア北部の町・サルトゥジオに先ごろ完成した「Apfelhotel Torgglerhof」は、地元の文化的な景観の中心をなす「リンゴ」をテーマにしたホテルである。

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カザフスタン地方が起源で、ローマ人が南チロルに持ち込んだとされるこの果物は、伝統的な栽培文化を通じて地域に深く根ざし、長い時間をかけて風光明媚な景色を育んできた。

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設計を担当したnoa* network of architectureは、レストランや古い納屋があるホテルの既存の構造を改装。

ホテルの中心となる新しくオープンした健康施設は、北側のファサードがなく、自然の緑の斜面に溶け込んでいるので、建物はほとんど見えないという。スパのエントランスは、カーブを描くなかば露出したコンクリートシェルでできており、古木で作られた美しい玄関を備えている。

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一方、南側はガラスとスチールのファサードで、屋上には緑が生い茂り、スチール製のキャノピーには香りのよいジャスミンの花が咲くなど、現代のリンゴ栽培で使用される支持構造をイメージしているそうだ。

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スパには噴水式水飲み場を中心に設置。シャワー、更衣室、美容室、マッサージ室につづく広々としたラウンジエリアには暖炉を用意。プールは緑のファサードを通り抜けて屋外に広がっており、目の前に広がる風景を楽しむことができるという。

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また、上層階は大人向けのエリアで、フィンランド式サウナからは、水平にカーブした木製スラットと大きなガラス窓を通して屋外のリンゴ畑の美しい景色を眺めることができ、リラクゼーションルームでは、ファサードを覆う緑のあいだから渓谷の壮大な景色を眺めることができる。

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新しいガーデンスイートは、ホテルの東側に設置。3棟の独立した建物には、3フロアに18の客室を設け、周囲の建築言語を取り入れた切妻屋根に、伝統とモダンな美学を融合したファサードを採用。外装は昔ながらの納屋の特徴に合わせて、暗い色合いとした。一方、木材でできた菱形のパターンは、クラシカルな木の支柱をアレンジしたもので、3棟の建物に現代的な雰囲気を与えている。End

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