アイスランドの大自然に向かって
叫ぶ。ストレスを解消するキャン
ペーン「LOOKS LIKE YOU NEED TO LET IT OUT」

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

アイスランドのプロモーションを手がける団体Promote Icelandが、アイスランドの大自然に向かって叫ぶキャンペーン「LOOKS LIKE YOU NEED TO LET IT OUT」を7月15日から実施しています。公式HPから録音された自分の叫び声が実際にアイスランドの各地に設置されたスピーカーから流れるというものです。

SPREADはこう見る

コロナウイルスの感染状況は一向に改善しません。徐々にストレスが蓄積している人は多いのではないでしょうか。

「LOOKS LIKE YOU NEED TO LET IT OUT」は、大声で叫ぶことでストレスを発散するという一種の治療法を元にセラピストおよびメンタルヘルス・コンサルタントの協力を得て考え出されたキャンペーンです。ストレスを感じる信号を出す扁桃体を刺激し、ストレスを解放する効果が得られるそうです。

HPのトップページには、アイスランドの自然豊かな風景がリアルタイムで映し出されています。首都のレイキャビク、北部の岬、南部にある草原など7カ所から自分が叫びたい場所を選び、画面中央にある黄色いボタンをタップして叫ぶと、ほどなく現地のスピーカーに届く仕組みです。

しばらく動画を見ていると、草花がそよぐ音や鳥の鳴き声、波が打ち付ける音とともに、誰かの叫び声が聞こえてきます。時々大絶叫が流れてきて驚きますが、今も世界のどこかで誰かが同じ風景に向かって叫んでいるのだと思うと、少し親近感が湧いてきます。

「本当に叫ぶだけでストレス発散になるのか?」と疑問を抱いている方はぜひ一度試してみてください。広々とした風景に自分の声が響くところを見ていると、普段自宅で味わえない爽快感を感じられるかもしれません。End

Promote Iceland
アイスランド・レイキャビクを拠点とする、アイスランドのプロモーションを行う団体。海外市場でのアイスランド企業の競争力を高めるために活動する。

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。