NEWS | サイエンス
2020.07.28 16:02
NASAは現在、「アルテミス計画」と呼ばれる有人月飛行計画を進めている。この計画では、1から3までのミッションを2024年までに完了させる予定だ。
ところが、月には小さな粒子の粉塵があるそうで、ほとんどあらゆるものに付着してしまううえに、研磨性があるので、宇宙服をはじめ、機器類や宇宙船、居住施設などに損傷を与える可能性があるという。
さらに、粉塵が付着すると、カメラのレンズは曇り、装置のパフォーマンスは低下し、機材の測定値にも狂いが生じ、耐熱性が変質し、さらには設備の故障さえ引き起こすおそれがある。
また、居住地に溜まれば宇宙飛行士の肺に入り込み、疾病リスクを高める可能性もあるとされる。したがって、好ましくないところから月の粉塵を取り除いたり、くい止めたりすることは、将来の月面探査にとって不可欠なことなのだ。
そこでNASAは今回、毎年開催しているイベント「Breakthrough, Innovative and Game-changing (BIG) Idea Challenge」を通じて、月面での持続可能な人間による探査を行うために、大学生向けに月の粉塵除去をテーマにした幅広いアイデアを募集している。
コンテストには、着陸時の粉塵の防止・低減、宇宙服の粉塵耐性の向上、外装に付着した粉塵の除去、居住施設内の月粉塵のコントロールといったカテゴリーを用意している。応募できるのは米国内の大学の学生にかぎられるようだが、どのようなアイデアが出るのか注目してみよう。