NEWS | 建築
2020.07.27 17:23
建築家・馬岩松が率いる建築設計事務所 MAD Architectsは、2024年に開催されるパリオリンピックのアクアティックセンターの設計案を公開した。
同施設はパリ北部のサンドニ地区に建設予定で、開会式と閉会式、陸上競技が開催されるメイン会場「スタッド・ド・フランス」の西側に位置し、両施設のあいだを通る高速道路にはダイナミックな歩道橋を架ける計画である。
MADのプロポーザルでは、パリの美しさと希望を体現するパブリックアートワークとなる運動施設を構想。すぐわきを通る高速道路A1号線からは、驚くほどの軽さをたたえた、カーブを描いた半透明の建物が浮かんでいるように見える。そして、波のように流れるその力強いカーブは、太陽の光や空の色に合わせて姿を変えてゆく。
施設内は5,000人を収容可能だが、規模は半分にまで容易に変えることができるので、オリンピック後はレガシーを残しつつ、使い勝手のよい施設となる。
さらに、パリオリンピックにおける環境への配慮と持続可能な開発に合わせて、構造の約70%を木材とし、プロジェクトのCO2排出量を最小限に低減。大型のソーラーパネルを設置するほか、雨水収集システムで得た水は、6000平米におよぶ敷地内の庭園で再利用することができる。
白い半透明のカーテンウォールからは、自然光が屋内に差し込み、光と影のたえまない戯れを楽しむことができる。さらに、外装は360度のスクリーンにもなり、競技中の情報を表示したり、開催中のイベントのライブ配信も可能。地元のメディアアーティストと協力して、地域最大のパブリックアートを展開し、夜の街に活気をもたらすそうだ。
なお、パリオリンピック・アクアティックセンターの国際コンペは、Bouyguesらの設計案が勝利を収めている。