当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。
“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。
Maseczkomatyさんの投稿 2020年5月1日金曜日
今日のトピック
ポーランドの自動販売協会が、消毒液やマスク、使い捨て手袋を購入できる自動販売機「maseczkomat」の設置を4月初旬から開始しました。現在ポーランド南部の都市クラクフ、首都であるワルシャワなど13箇所に広がっています。
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「maseczkomat」は、4月初旬ポーランド政府により、外出時に口と鼻を覆うことが義務化されたのを受けて設置されました。人との距離が2m開けられない場合や公共交通機関、ショッピングモール利用時など、外出するほとんどの場合に適用されます。一時は、職場内や店舗利用者の手袋着用も義務付けられていたようです。
マスクは1枚約240円、アルコール消毒ジェルは3個1セットで約120円、使い捨てゴム手袋1組は約65円。自販機だと手軽に買えるだけでなく、人との接触を避けることができ、クレジットカード決済なのでお釣りからの感染も防ぎ、店舗より安全に購入できそうです。
今後はコロナウイルスの検査キットを導入する予定です。購入者は自宅で検体を採取した後、検査できる研究室に配送、結果はメールで通知されるという仕組みで、誰にも会わずに検査が行えます。検査数を増やすことで、より効果的なコロナウイルス対策が講じられるようになるでしょう。
また、シンガポールでは5月下旬から7月12日まで、シンガポール政府系投資会社テマセクホールディングスの傘下の企業がシンガポール在住者を対象に、マスクをひとり2枚自動販売機で無料配布しています。ひとりが受け取れる数は専用のIDを発行して管理。国内に1200機が配置されているそうです。今後自販機は新しいマスクの入手方法としてさらに広がるのかもしれません。
ポーランドの新規感染者数は、4月1日に243人、7月20日には279人と減少こそしていないものの、3カ月経っても大幅な増減がなく、感染状況が改善しているのかはっきりとわからず不可解です。シンガポールは4月以降感染者数が減少しています。政府の徹底した感染対策や、それに準じた国民の行動が効いているからだと思われます。
人との接触を避けることが必要だとわかってはいるのですが、買い物や病気の検査のようないままで人を介して行なっていたところでも人に会えないというのはとても寂しく感じます。これから人との関わり方はどうなってしまうのでしょうか。