人間の能力を総合的に拡張する「ヒューマンオーグメンテーション社会連携講座」を
東京大学大学院情報学環に開設

ソニー凸版印刷京セラティアフォー東京大学は、東京大学大学院情報学環に「ヒューマンオーグメンテーション社会連携講座」を設置し、2020年8月から推進することで合意した。

この講座は、ソニーと東京大学が2017年から2020年に実施した大学院情報学環「ヒューマンオーグメンテーション学寄付講座(ソニー寄付講座)」の活動を発展させたもの。

人間の能力を総合的に拡張するヒューマンオーグメンテーション(人間拡張)学の研究開発・社会実装を推進し、「IoA」(Internet of Abilities:能力のインターネット)の社会基盤を具現化することを目的としている。

ヒューマンオーグメンテーションとは、同大学院情報学環教授でソニーコンピュータサイエンス研究所・副所長の暦本純一が提唱するコンセプトで、人間と一体化して人間の能力を拡張させるテクノロジーを開拓していく分野である。

また、IoAとは、人間の能力の拡張を目的として、人やロボットが時間や空間の制約を超えて、各々の能力を活用しあえるネットワーク環境を指すそうだ。たとえば、他人の体験を自らのものにする(体験の拡張)、代理のロボットなどを介して遠隔地を訪れる(存在の拡張)、各々の専門性を生かして共同作業する(能力の伝達)などが構想されている。

拡張する能力の範囲は、知覚能力・認知能力・身体能力・存在感や身体システム(健康)まで幅広く、これまでに、視線を認識するウェアラブルコンピュータや、ドローンやロボットによる体外離脱視点を用いたトレーニング支援、人間の体験をウェアラブルセンサーやネットワークにより他の人間と共有・接続する人間=人間接続型テレプレゼンスなどを研究してきたという。

同講座では、今回の産産連携・産学官連携により、スピード感と安定感を両立した社会実装と学発ビジネスの具現化を目指している。End