英の企業がショッピングカートを効率良く
洗浄するためのシステム「Clean Trolley」
を国内向けに販売

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

イギリスの企業Wilkinson Mobile Catering Systemsが、オランダで開発された、カートを効率良く洗浄するためのシステム「Clean Trolley」を4月から国内向けに輸入販売を開始。BBCのラジオや、ニュースサイト、公式FBなどで「Clean Trolley」を導入したいビジネスオーナーに呼びかけています。

SPREADはこう見る

「Clean Trolley」は、スーパーマーケットのカートだけではなく、空港用、医療用などさまざまな形状のカートに対応しています。洗車機と同じような仕組みになっており、ショッピングカートの全体に消毒液を吹きかけ、30台を30秒で消毒できるそうです。人の手でカート全体を拭くより効率的にウイルスを除菌することができます。技術的には新しいものではありませんが、数多くのスーパーマーケットのカートを消毒できれば、カートを介したウイルスの連鎖を断ち切り感染リスクが減らせるかもしれません。

日本での導入を考えた場合、スーパーの利用者はカートより買い物かごを使うことが多いでしょう。機械の下にものを通すだけで消毒できるというシンプルな仕組みなので、入り口の横にある買い物かごの消毒にも応用できるのではないでしょうか。外観の形状や配色、質感をもっと洗練させたものができると、導入を考える店舗も増えるかもしれません。

「Clean Trolley」を見て発想が広がったのですが、カートだけではなく人にもミスト状の消毒液が噴射されるというのはどうでしょうか。夏場に見られる暑さ対策のミストのような仕掛けが、施設のエントランスの各自動ドアにに設置されるイメージ。施設に入るたびに自動的かつ効率的に除菌が行われます。目や口に入っても無害な消毒液を施設に入るたびに全身に浴びることができれば、感染対策の日常化に役立ちそうです。End

Wilkinson Mobile Catering Systems
イギリスを拠点とする企業。1978年に設立。「Clean Trolley」の販売とともに、移動屋台を販売している。

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。