ポーラ美術館の屋外「森の遊歩道」の美しさを表現
Susan Philipszによるサウンド・インスタレーション「Wind Wood」

▲ ポーラ美術館 森の遊歩道

神奈川・箱根にあるポーラ美術館は、イギリス・グラスゴー生まれのアーティスト、スーザン・フィリップス(Susan Philipsz)のサウンド・インスタレーション「Wind Wood」を新たにコレクションに加えたことを発表した。

同氏は、室内や屋外に音を響かせることでその空間や環境を新たに体験させる、サウンド・インスタレーション作品を手がけている。

▲ スーザン・フィリップス(Susan Philipsz)《Wind Wood》2019年 ポーラ美術館蔵 撮影:木奥恵三

▲ スーザン・フィリップス(Susan Philipsz)《Wind Wood》2019年 ポーラ美術館蔵 撮影:木奥恵三

美術館やギャラリーなどの室内や、日常的な騒音が混在するバス停や線路などの野外で、周囲の環境と鑑賞者を取り込みながら、場所の記憶や歴史を読み解き、空間や建築物との対話を経て、深く豊かな音色を紡いでいるそうだ。

「Wind Wood」については、制作に先立ってフィリップスは箱根に滞在し、同館を取り囲む自然の美しさや、コレクションの中核をなす印象派の画家たちの作品から着想を得たという。

そして、2019年に開催された企画展「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」に際して、同作品は美術館屋外の「森の遊歩道」で展開された。富士箱根伊豆国立公園の凛とした空気に包まれた鑑賞空間のなかで、作家自身が箱根に滞在して制作した幻想的な音色を楽しむことができる。

また、この作品は、小説家 ジェイムズ・ジョイスの娘で、1920年代のパリでダンサーとして活動したルチア・ジョイスに捧げられている。そして、ルチアが好んだ印象派とも称される作曲家 モーリス・ラヴェルの歌曲「魔法の笛」を題材とすることで、印象派絵画との共鳴を生み出している。End

スーザン・フィリップス
サウンド・インスタレーション《Wind Wood》

展示期間
2020年7月23日(木・祝)~11月30日(月)
開放時間
4月~11月 9:00~16:30
12月~3月 9:00~16:00
※天候により閉鎖する場合あり
会場
ポーラ美術館 森の遊歩道
詳細
https://www.polamuseum.or.jp/nature/