米ワシントン大学による
昆虫の視点を体感できる超小型カメラが開発

▲Credit:Mark Stone/University of Washington

米ワシントン大学の研究チームは、昆虫の背中に載せることができる超小型カメラを開発した。リモートで操作できるそうで、マーベルの映画「アントマン」のように誰もが昆虫の世界を楽しめるようになるそうだ。

▲Credit:Mark Stone/University of Washington

カメラの重さは約250mg、トランプカード1枚の10分の1ほどなので、生きたカブトムシや昆虫サイズのロボットにマウントすることができるなど、その実用性は高いという。

▲Credit:Mark Stone/University of Washington

▲Credit:Mark Stone/University of Washington

搭載されたカメラは、60度の回転ができるメカニカルアームに据えられており、1秒間に1~5コマの速度でスマートフォンにビデオをストリーミングすることができる。さらに、高解像度のパノラマショットを撮影したり、最小限の電力消費で移動するオブジェクトをトラッキングすることも可能だ。

実際、スマートフォンで使用するような小型カメラでは、広角・高解像度の画像を撮るのにたくさんの電力が必要で、そのぶんバッテリーが重くて大きくなり、昆虫にカメラシステムを搭載することは難しかった。

▲Credit:Mark Stone/University of Washington

そこで、研究チームは生き物の生態にヒントを得たという。たとえばハエなどは獲物や仲間を目で追うときに、視野全体を高解像度で見るのではなく、見たいところだけをクリアにフォーカスして、エネルギーの消費を抑えるとされる。

こうした視覚を再現するために、メカニカルアームを使って周辺を見渡せる、超小型の低電力消費白黒カメラを作成。このアームは高電圧をかけると動き、何もしなければそのままの角度を1分間キープしてから、もとの位置に戻るように設計されている。こうしたシステムにより、消費電力を抑えながら広角で周囲を見られるようになるのだ。

また、Bluetoothを使えば、カメラとアームは、スマートフォンから最大120m離れたところでも操作できるとしている。将来的には太陽光発電により、低電力消費・バッテリーレスバージョンの開発を目指している。End