切り紙をヒントに、ハーバード大学の研究チームが
風船のように柔軟に膨らむソフトロボットを開発

▲画像提供:Bertoldi Lab/Harvard SEAS

柔軟性のある高性能のロボット、「ソフトロボット」の開発が世界中で進められている。このほど米ハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学応用科学部の研究チームは、切り紙をヒントにしたインフレータブルデバイスを開発したと発表した。

このデバイスに使われる素材は風船のように柔軟に膨らんでくれるもので、事前にプログラムしておくことで、その形状を希望のものにすることができるそうだ。

デバイスに埋め込まれているのは、切り紙状にレーザーカットを施されたシート。このシートを筒状にすることにより、バルーンの膨張に合わせて、シートがあるところでは伸び、別のところでは縮むようになる。

さらに、この膨張のコントロールにより、大きく膨らませるだけでなく、ごく一部分だけの形状を変えることも可能。ただ膨らませるだけでなく、曲げたり、ねじったりするなど、これまでにないような形状にもなるという。

また、研究チームは、インフレータブルデバイスの最適なデザインを見つけるための逆設計アルゴリズムもあわせて開発。希望の形状をあらかじめ決定しておけば、そこから変形可能なバルーンを自動的に設計することもできるのだ。実験では、ハロウィンで使われるようなカボチャの形状を再現することもできた。

そのほか、ヒョウタンのような形状やフックのようなカーブした形状、壺のような真ん中が膨らんだ形状でも作れるとしている。

この研究の筆頭著者であるKatia Bertoldi教授は、「この研究は、形状可変デバイスの新しいプラットフォームを提供するもので、まったく新しい医療ツールやアクチュエータ、再構成可能な構造の設計を支援することができると考えています」と述べている。End