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2020.07.10 16:11
Googleの親会社 Alphabetの傘下であるLoon(ルーン)は、インターネットが発達していない地域に高高度気球を飛ばし、そこに搭載された中継装置を使ってインターネット接続を普及させる取り組みを行っている。
そして、ルーンは2020年7月7日(火)、この方法を使って、ケニアでのインターネットサービスを開始したことを発表した。同国の通信会社 Telkom Kenyaと共同で展開する事業で、まずは西部から中央部にかけて約50,000㎢のエリアをカバーしているそうだ。
今回導入したのはおよそ35基にのぼる気球で、35,000人以上のユーザーが利用を開始。今後数週間でさらに気球を打ち上げて、より安定したサービスを行うことを目指している。
6月下旬に行った実証試験では、音声通話、ビデオ通話、YouTube、WhatsApp、メール、テキストメッセージ、ウェブ閲覧などの使用に問題はなかったようだ。
また、気球はプエルトリコから機械で自動的に打ち上げられるそうで、30分ごとに60,000フィート(約18km)の高さに飛ばすことができる。さらに、その運用は高度な機械学習によって行われており、各気球が連携しながらカバーすべきエリアをサポートするシステムを採用している。
携帯電話の基地局は通常動かせないが、このシステムにすることで、季節やユーザーの要望に応じてカバーするエリアを柔軟に変えることができる。
現在、世界中で38億人がインターネットに接続することができないそうだ。パンデミックなど、人類全体の問題が起こるなか、情報を共有したり、家族や友人がつながるために、ますますインターネットは求められている。こうした課題をクリアするものとして、ルーンの取り組みは今後ますます注目を集めそうだ。