NEWS | インテリア
2020.07.09 17:58
ベルギー・ブリュッセルのデザインスタジオ Studio Élémentairesは、同市で開催された「Collectible Design Fair」において、新作インテリア「UMBRA」を披露した。
UMBRAのコンセプトは、天文現象であるとともに詩情豊かな現象でもある「日食」である。皆既日食はいわば偶然の産物で、太陽の前に月が現れるこの完全な配置は、地球からしか眺めることのできない魅惑的な現象なのだ。
これをもとにStudio Élémentairesは、この幸運な出来事をオブジェクトの運動に落とし込むことを目指した。私たちはオブジェクトをますますコントロールしたり指示したりしているが、そんな日々の生活のなかで驚きや意外性を生み出すにはどうすればよいか、ということが課題となった。
そこでこのUMBRAでは、アルミ製の円盤を回転させ、照明を遮る仕掛けを構築。これにより、室内には一時的に影の状態が生まれるのである。光源が隠れるタイミングはランダムなシークエンスによって制御されており、円盤が回転する速度によって異なるという。
可動装置のアルミシートはハンマーで打痕模様を施し、黒いスチールフレームの先端に絶妙なバランスで取り付けられている。この円盤がゆっくりと回転しはじめるとシークエンスが展開され、光源を隠すことになる。このとき、光は円盤に当たり、天井に反射することで、下方には独特の光の効果が現れるそうだ。
なお、この作品は、2020年7月17日(金)から8月15日(土)までフランス・ビアリッツのGalerie du Cotéで開催される展覧会「Conversations」でも披露されることになっている。