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2020.07.01 17:48
チェコで初めて3Dプリントされたコンクリート製のフローティングハウス「PRVOK」がプラハにこのほど登場する。彫刻家・Michal TrpákとBuřinkaという企業が共同で手がける実験的な建築である。
建物自体はチェコ南部の都市 チェスケー・ブジェヨヴィツェの工場で製造。屋内の仕切りを含めた家全体は22時間でプリントされたそうで、17トンのコンクリート混合材を使用した。
コンクリートが固まるにはおよそ1ヶ月が必要で、その間に屋根には植物を施し、床や配線、ドア、窓などを仕上げることにしている。完成後はプラハに運ばれ、2020年8月18日(火)に一般公開される予定だ。
担当者によると、都会や地方、さらには水上でも使える自給自足も可能な建物で、従来のパッシブハウスに比べてコストの最大で50%を節約でき、工期は7分の1に短縮できる。レンガ造りの建物と比較すると、CO2排出量は最大で20%の削減が可能だという。
床面積は43平米で、トイレ付きのバスルーム、キッチン付きのリビングルーム、そしてベッドルームの3部屋を用意。今回ははしけの上に建てられる予定で、年間通して利用することができるとしている。
また、シャワーの水は再利用したり、屋根を植物で覆ったり、飲料水や下水などさまざまな用途に使えるように貯水タンクを設けたりと環境にも配慮。どんな環境でも100年先まで住めるように設計されているそうだ。
チェコではサステナビリティへの関心がますます高まっているそうで、3Dプリントによる建築にも興味を示しているようだ。「PRVOK」はまだ試験段階のものだが、さらなる実証実験を重ねて、チェコの建設業界の変革を加速させる起爆剤にしたいと語っている。