社員がアートやイベントを楽しめる施設
ドイツメーカーAdolf Würthの本社近くに複合施設「Carmen Würth Forum」が建設

ドイツ南部の町 キュンツェルザウに本社を置く部品メーカー・ウルト(Adolf Würth)はこのほど、本社ビル近くに新しい複合施設「Carmen Würth Forum」をオープンさせた。

David Chipperfield Architectsによる設計で、大型イベントホールと室内楽用の小さなリサイタルホールが入居している。社内だけでなく、一般のイベントにも使える施設だそうだ。

建物はオープンな緑地にあり、室内楽ホールとイベントホールの下部は自然が作り出した小山の下に隠れるように配置されている。さらに、小山の両側は切り開いて、2つの屋外スペースを設けた。

大きな南側の前庭はメインエントランスに通じており、野外コンサートなどさまざまな屋外イベントの会場として機能。自然光を採り込んだロビーからアクセスできる多目的イベントホールは3,500人を収容する。

ホールの下部は地面に沈んでいるが、トラス屋根のある上部はガラス張りのファサードの中二階で、小山の高みよりも一段高いところにある。一方、こぢんまりとした室内楽ホールは600人を収容、壁面はウォルナット材で仕上げた。

コーポレートカラーの赤は、室内デザイン全体に採用。室内楽ホールの座席だけでなく、ホワイエやイベントホールのフローリングにも使われている。くわえて、周囲の緑地には、同社会長 ラインホルト・ヴュルトのコレクションである彫刻が展示されている。

また、これに隣接する新棟にはフレキシブルな会議エリアと美術館が入居。ヴュルトのコレクション作品を展示するエリアは、イベントスペースと対照的に瞑想できるスペースとなる。

カフェとホワイエのほか、日光が差し込む分割可能な大型の展示ホールと、小さくて親しみのあるグラフィックアートギャラリーがあり、ガラス張りの展望エリアからは広大な風景や美しい彫刻公園に広がるアート作品を楽しむことができる。End