米プリンストン大学、自動運転車向けに
交差点付近の危険を察知するレーダーシステムを開発

▲画像:研究チーム提供

自動車で見通しの悪い交差点に差しかかると、スピードを落として左右から来る自動車や歩行者を確認しなければならない。とはいえ、こうした危険を発見できるのもギリギリになってからで、減速が間に合わないと大きな事故にもつながるおそれがある。

そこで、米プリンストン大学の研究チームは、交差点付近にある危険を察知してくれる新しいレーダーシステムを開発している。

このレーダーはスピード違反取締り装置や野球のスピードガンに使われるもので、見通しが悪くても向かってくる自動車や歩行者を自動的に検出してくれるそうだ。

システム自体は、一般的な自動車にも簡単に搭載可能だという。まず、ドップラー・レーダーを使い、建物や駐車中の自動車などの表面で電波をはね返らせる。このレーダー信号は一定の角度で表面にあたり、ビリヤード台のクッションにボールが当たるように跳ね返ってくる。

そして、レーダー信号は、角を曲がったところに隠されたオブジェクトにあたり続け、その一部が自動車に取り付けられた検出器に跳ね返ることで、角を曲がったところにある物体を検出。その物体が動いているか静止しているかも判断してくれる。

もちろん人間なら自分で注意して運転することも可能だが、自動運転車の場合、LiDARや車載カメラでは視界にない物体を見つけるのはとても困難だという。たとえば光を使ったとしても、高出力のレーザーが必要で、なおかつ短距離しか検出できないのだ。

さらに、このレーダーシステムは高度なAIアルゴリズムと組み合わせることで、少なくまばらなデータからでも自転車や歩行者の識別を学習することができる。また、LiDARよりも比較的低コストで生産でき、大量生産も可能だとしており、このレーダーシステムの開発によって自動運転車の安全性を高めることを期待している。End