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2020.06.22 14:32
米国トヨタは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)と自動運転に関する研究を進めている。このほど、この研究を加速させる新しいビジュアルオープンデータセットを公開した。
新たにリリースされたビデオデータセットは無償で公開されており、これをもとに研究者は一連の運転状況の過程で検出されたデータパターンを分析できるようになるそうだ。
自動運転車が安全な運転ができるようになるには、なによりもトレーニングを重ねて、周囲の状況をより深く認識させることが求められる。過去の経験をもとにコンピュータに学習をさせて、未知の予測不能な状況でも安全に走行できるパターン認識が必要なのだ。
そこで、MIT Center for Transportation & Logistics(交通物流センター)の「AgeLab」と、トヨタの「先進安全技術研究センター」(CSRC)が、「DriveSeg」と呼ばれる新しいオープンデータセットを構築。人間の知覚と同じような、運転環境における視覚情報の連続的な流れとして認識する自動運転システムの研究を展開している。
そして、MITの主席研究者 Bryan Reimerは、「研究者や業界をはじめ、さまざまなイノベーターが次世代の支援運転・自動車安全技術を実現できるように、このデータセットを共有することで、時間的なAIモデリングへの新しい知見や方向性を構築できればと考えています」とコメント。
これまで研究者が利用できる自動運転データは静止画像を集めたもので、これをもとにバウンディングボックスを使って、自転車、歩行者、信号機など道路上やその周辺によくあるモノを認識・追跡しようとしていた。
一方、「DriveSeg」の場合、一般的な道路上にあるモノが連続した運転動画でとらえられており、画素レベルとしてもより正確。道路工事の現場や植え込みなど、一定した形状のないオブジェクトも認識できるそうだ。そして、時間の経過とともに展開されるデータパターンにより、機械学習や状況理解、行動予測の進歩につながることを目指している。