NEWS | 建築
2020.06.18 16:52
オーストラリア・メルボルンに拠点を置く建築設計事務所 BAU(Brearley Architects + Urbanists)が設計を手がけた、中国・南京の「Pukou Community Centre」が2019年に完成した。
浦口区(Pukou District)は南京市のはずれにある新しい地区で、緑豊かなモダニズムの都市計画をベースに、自律型の大規模なゲーテッドコミュニティを形成している。このプロジェクトでは、公共空間を最大化し、公共生活の機会を提供することを目指した。
建物は2つの大通りが交わる広々とした区画の角にあり、周囲を流れる運河が後方の境界となり、その一帯は公共のオープンスペースの緑地にもなっている。
この区画の2辺に建物を構築、反対側の2辺はオープンスペースに隣接させることで、通りから隔たったプライベートな中庭が生まれ、その向こうにあるより広大な公共のオープンスペース群にも接続するようになった。
建物の中央には歩行者向けに大きな開口部を2つ設けており、ボリュームを効果的に抑えながら、中庭からオープンスペースへと続くアクセスを確保。
中間となる4つのフロアに対して、最上階は少しずれたようなデザインを採用。また、中庭には、敷地内に重なり合ったようなパビリオンがあり、緑のオープンスペースを広げつつ、フラットな地形に興味深い景観を作り出している。
1階はショップエリアやサービスエリア、上階には104室のホテルとオフィススペースを用意し、最上階には2,500平米の幼稚園を設置。中庭はプールと会館があるコミュニティセンターとした。
また、ファサードには薄いコンクリートの層が張り出しており、そこに船の帆のような穿孔メタルを取り付けることで、ファサードの向きの変化に対応。通気がよく、自然の光が差し込み、建物のエネルギー消費を減らしているそうだ。