「土」を通して命の源を象徴するインスタレーション
アーティスト崔在銀の世界観が東京・銀座SHISEIDO THE STOREに展示

▲中央通り正面のファサード

東京・銀座にある資生堂の総合美容施設「SHISEIDO THE STORE」は、現代美術家とともに制作する1階ウィンドウギャラリーにて、アーティスト 崔在銀による「土」をテーマにしたインスタレーションを展開している。

崔は、1980年代から一貫して生命や時間をテーマに制作を行ってきた。 今回のインスタレーション作品は、崔にとってすべての生命の母である土をウィンドウの壁や床一面に塗り込め、それが乾いていく過程で生じる自然の亀裂を背景にして、生命の象徴そのものである小瓶に入れた種が芽吹く、というもの。

▲空中に浮き上がるような瓶

▲発芽した金時豆

床に目を落とすと、鉛筆のドローイングによる詩が書かれた古い紙が見出される。19世紀後半から20世紀にかけてヨーロッパで生産された紙は、何層にも堆積した時間と露光による繊細な色調を帯びている。

▲刻々と変化する粘土の壁

かつて樹木であった紙、命の源を象徴する種、それらを育む水や光や空気。崔の作品に通奏低音のように横たわる時間において、豊穣なる土から生まれる自然の命の時間は、人間の時間と対比されながらも、永遠とも思える長い周期の連続性からなっているそうだ。

▲崔在銀による詩

ウィンドウのなかの変化により、銀座の街往く人々に人間の知恵や記憶などを呼び起こすことを期待した作品である。End

▲Photo by Kazumi Kurigami

SHISEIDO THE STORE 崔在銀「土」展示

展示期間
2020年6月2日(火)~7月14日(火)
展示場所
SHISEIDO THE STORE 1階
詳細
https://thestore.shiseido.co.jp/