NEWS | インテリア
2020.06.12 18:15
インダストリアルデザイナーの大口進也は、新作のフラワーベース「Picture」を公開している。
円形に切り取った、わずか0.8㎜厚のスチールの板を曲げ、花を際立たせる背景とした花瓶で、花を活ける部分はガラス瓶を設置。前面に少し小さな円形の板を曲げ、ガラス瓶を覆うカバーとしている。底面には2.3㎜厚のしっかりした板を使い、安定感を持たせている。
花に同じものはないし、状態によっても見え方が変わってくる。大口は、「花はつぼみの状態から、咲いて、枯れるまですべて美しい。その一瞬一瞬を映し出す装置としての花瓶」だと語る。
また、人は花を自然と美しいと感じる。花はアーティストにとって魅力的な題材なのだ。ゴッホのひまわりや、モネの睡蓮など、アーティストは花の絵をよく描いている。そこで、アーティストは筆で花をキャンバスに定着させるが、この花瓶では生きた花を生きたまま絵にできないかと考えたそうだ。
「Picture」は2016年から試作を重ねてきたが、ついにプロダクトとして完成。試作1では背景部分が不安定で倒れやすく、試作2では理想の形にしすぎたことで量産が難しかった。今回のモデルで、日常に使う花瓶として機能しつつ、当初のコンセプトを実現している。