NEWS | 建築
2020.06.11 16:10
中国・重慶では、Safdie Architectsが設計を手がけるタワー群「Raffles City Chongqing」が建設中だ。重慶の街を見下ろすように堂々とした外観をしているが、カーブしたユニークな形状で街に背を向けているようにも見える。
8つのタワーからなるRaffles City Chongqingは、重慶中心部の歴史ある場所に位置する。高密度で発達した既存の都市インフラの中心に建設するにあたり、街路のネットワークを十分に調査。古い商店街を取り込みながら、複雑なプログラムを作り上げている。
低層階は6階建てのポディウムで、ショップスペースのほか、地下鉄やバス、フェリーのターミナルにもなっている。その上には、市内から直接アクセスできる公共公園と住民向けの庭園を設置する。
タワーは、南側にある6棟が高さ250m、北側の2棟が350mを誇る。住居のほか、高級レジデンス、オフィス、滞在用のアパートメント、ホテルなど、さまざまな用途を備えている
さらに、4つのタワーの屋上に横たわるように、全長300mの「Crystal」と呼ばれる水平に伸びる超高層ビルのようなスペースがある。前方にある2つのタワーとも歩道橋でつながっており、庭園や飲食店、バー、イベントスペース、居住者向けのクラブハウス、インフィニティ・プール、ホテルのロビーなどが入居。オープンエアの展望デッキでは、ガラスフロアから長江と嘉陵江の合流地点をそのまま眺めることができる。
公開されている動画をみると、カーブしたタワーの形状は、かつての中国の水運を担った長江の帆船をイメージしているようで、重慶の街の歴史を感じさせてくれる。