NEWS | ファッション
2020.06.10 15:15
佐藤オオキが主宰するデザインオフィス nendoは、中国のアクセサリーブランド CHJのためにアクセサリー「candy-wrapper collection」を手がけた。紀元前から存在していたと言われる中国の伝統技術「フィリグリー」を用いたコレクションである。
フィリグリーは、金や銀を直径0.2mm~0.6mm程度まで糸のように細く伸ばしたものを編み合わせ、これを溶接していくことで立体物へと作り上げる技術で、まるでレースのように見えることが特徴だ。そこへパールや石を添えたり、エナメルで隙間を埋めることで着彩し、古くから装飾品やオブジェなどに使われてきたそうだ。
CHJからはこの技術を用いて、従来よりも若いターゲットに向けたアクセサリーコレクションのデザインが求められたという。
そこで、小さなパールやクリスタルを「飴」に見立て、それを覆う「包装紙」を金細工で表現することにした。中の「飴」はあえて固定しないことで、「包装紙」の隙間からその動きがちらほらと見えるようにしている。
これにより「伝統工芸と量産品」「ラグジュアリーとカジュアル」そして「長く愛されるパーソナルなものと、「瞬間的に消費されるもの」という複数のレイヤーの対比が鮮明なデザインができあがった。
キャンディー型はネックレス、ブレスレット、ピアスの3アイテムを用意し、ロリポップ型はこれにリングも加えた4アイテムで構成。
さらに、ギフトボックスや紙袋には、チープなお菓子の包装紙に使用されがちなフォントやモチーフを使ったパターンを作成。ゴールドの箔押しで仕上げることで、このアクセサリーがもつ二面性をここでも表現することを目指している。