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2020.06.05 15:15
暮しの手帖社は、1948年に大橋鎭子とともに雑誌「暮しの手帖」を創刊し、数々の企画を立ち上げて世に名編集長と呼ばれた、花森安治の選集を刊行する。
記事の編集・執筆に加え、誌面をレイアウトして表紙画やカットまで描く編集長として、これまでさまざまな側面から語られてきた花森。この選集は、「暮しの手帖社」とその前身「衣裳研究所」から発表した随筆・評論・ルポルタージュをまとめた、花森安治を「読む」三部作となっている。
2020年5月下旬に刊行された第1巻「美しく着ることは、美しく暮すこと」では、これまで、あまり知られてこなかった花森の一面、新進気鋭の服飾評論家として活躍した、戦後間もない「暮しの手帖」創刊前後の作品に焦点を当てている。
7月中旬刊行予定の第2巻「ある日本人の暮し」は、激動の昭和を懸命に生きる市井の人々をとらえた、哀歓あふれるルポルタージュで構成。「暮しの手帖」に1954年から連載された「ある日本人の暮し」を中心に、掲載時は無記名だった文章を今回あらためて花森の執筆記事として認定し、収録する。
また、9月下旬刊行予定の第3巻「ぼくらは二度とだまされない」は、あたりまえの暮しを守るため、ペンを武器に国や大企業に抗った魂のメッセージ。特集「戦争中の暮しの記録」巻頭収録の「戦場」(1968年)や、「見よぼくら一銭五厘の旗」(1970年)など、ジャーナリスト・花森の矜持を知る作品群となっている。