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2020.06.05 15:30
京セラと東京医科歯科大学は、血中酸素飽和度(SpO2)などのバイタルデータを取得することのできるヘッドセット型ウェアラブルシステムを同大学循環器内科と共同で研究し、2020年5月中旬より同大学による臨床研究の準備を開始した。
現在、同大学医学部附属病院リハビリテーション部では、新型コロナウイルス感染症の重症患者に対しては直接介入によるリハビリテーション治療を、自立歩行可能まで回復した中等症患者にはリモートリハビリテーションを導入している。
これにより、患者の早期回復を目指すとともに、医療スタッフの感染リスクの低減、防護服やマスクなどの医療資源の節約を目指しているという。
そこで、このようなリモートリハビリテーション治療に対し、同大学医学部附属病院循環器内科が、遠隔診療などへの活用を視野に京セラと共同で研究中であったヘッドセット型ウェアラブルシステムの導入を発案。新型コロナウイルス患者向けのより効果的なリモートリハビリテーションに向けて、同システムの臨床研究の準備を開始した。
導入メリットとしては、医師にとっては、リハビリテーション治療中に患者と会話しながら、運動中の血中酸素飽和度(SpO2)などのバイタルデータをリアルタイムに取得できる。これによって、データを見ながら適切な運動量の指導ができ、より正確な診断の実施や診療時間の短縮に繋げることができる。
また、患者にとっては、骨伝導で音が聞こえるので、周辺の音を聞きながら、リハビリテーション治療中も自由に手足を動かすことが可能となるそうだ。
また、今後はさらにヘッドセットを小型化することで、自宅などで療養中の患者に活用し、適時、医師が遠隔から患者のバイタルデータをモニターすることが可能できるようになるとしている。
両者は、今回の試験運用を継続して実施し、遠隔診療やリモートリハビリテーションの有効性などを検証。他の疾患への展開も視野に、今後の本格導入を目指して共同研究を進める予定だ。