パンデミックをきっかけに「モノ」の新しい意味と目的を探る
英ヴィクトリア&アルバート博物館が「Pandemic Objects」を開催

▲credit: Livia Turnbull

ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、私たちの身の回りにあるさまざまな「モノ」に新しい意味と目的を探るプロジェクト「Pandemic Objects」を公開している。

私たちも経験したように、パンデミックが起きている間、日常では見過ごされがちなささいなモノ(形の有無は問わない広い意味で)が、突如として差し迫った重要性を帯びたりすることがある。

たとえば、トイレットペーパーが不足するのではないかとパニックが起こり、額で測る体温計が社会をコントロールするツールになり、コンベンションセンターは病院になり、公共施設としての公園の使い方は議論の的となった。

▲credit: Zofia Trafas White

▲credit: Ivo Tedbury

そこで、同館のキュレーターたちがこうしたモノを持ちより、変わりつつある目的や意味を紹介。そうすることで、パンデミックとその中で重要な役割を果たすモノのユニークなあり様を描き出すことが、このプロジェクトのねらいである。

▲Credit: Victoria and Albert Museum E.3167-1991

▲‘New Family’ sewing machine (model 12/12K), manufactured by the Singer Manufacturing Company, 1888. Mus. no T.1600-2017 © Victoria and Albert Museum

「トイレットペーパー」「マスク」「ドアの取っ手」「店の手書きの張り紙」については、その内容は私たちにも想像がつきそうだ。その一方、「なわとび」「Google ストリートビュー」「ミシン」「段ボール」などにも新しい意味や目的が生まれているようだ。キュレーターたちが綴るユニークな視点をチェックしてみよう。End

▲Skipping Rope, Italy, 1910-15 (MISC.512-1986)

▲Ad-hoc street barrier in Amritsar, India. Photo by Shashank Peshawaria