当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。
“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。
今日のトピック
デンマークのデザインスタジオ、スティッカ(Stykka)が段ボール製のデスク「#Stay The F*** Home Desk」をデザイン、販売しています。在宅での仕事に必要だけど新しいデスクは買いたくない、という在宅勤務終了までの一時的な使用を想定して考案されたプロダクトです。このデスクが普及することで、在宅勤務を選ぶ人が増えることを目的としています。
SPREADはこう見る
「#Stay The F*** Home Desk」は、誰でも簡単に組み立てられるよう、3枚の段ボールとそれらを固定するプラスチックバンドのみで構成されています。バリエーションは、ブラウンとホワイトの2色、椅子に座って使うタイプと、立った状態で使えるタイプがあります。本体価格は約8,000円。ヨーロッパ数カ国に加え、中国、インド、日本でもStykkaのサイトから購入できます。リサイクル可能なので、不要になったら処分できますが、使い捨てでもデザインに気を配った家具が家にあると、自宅待機の生活が豊かになります。
段ボールと在宅勤務は相性の良い組み合わせではないでしょうか。外出自粛が続き、ネットショッピングが増えたことで、梱包材が家にたくさんあるという人もいることでしょう。
そんな段ボールを再利用したデザインコンテスト「Dezeen x Samsung Out of the Box Competition」や、在宅勤務ならではの、生活に役立つアイデアを募集するアワード「Work From Home Hack Award」も開催されています。
段ボールを使ったプロダクトの名作といえば、フランク・O・ゲーリーの「Wiggle Side chair」や、エンツォ・マーリによる知育玩具「IL POSTO DEI GIOCHI」がありますが、在宅勤務中にこれらに匹敵する段ボールのアイデアを発明する人が出てくるかもしれませんね。
Stykka
デンマークを拠点とするデザインスタジオ。デスクやパーテーションなど家具を製作している。