色と形で構成された幾何模様の空間インストレーション
アーティストRachel Hayesの個展「Land Lines」

米ロサンゼルスにある現代アートギャラリー Lowell Ryan Projectsは、オクラホマ州タルサを拠点とするアーティスト Rachel Hayesの個展「Land Lines」を開催した。

Land Linesは、12枚の大きなパネル状の作品で構成される展覧会。それぞれの作品はカラフルなファブリックを縦に縫いつけたもので、サイズや透明度が異なるポリエステルやナイロン、コットンのファブリックを使い、色、構成、光が織りなす絵画のような戯れを作り上げた。

天井から床まで高さ13フィート(約3.9m)にわたりギャラリー全体を使って互い違いに配置されたパネルは、幾何学的であるが空気のような軽さを持つ。訪れた人はパネルの背後や周囲を縫うように歩くことで、迷路のようなインスタレーションをさまよいながら、絶え間なく変わる色と光のパターンを体験することができる。

この非常に大きな作品を目の当たりにすれば、観る人は空間の把握が難しくなるが、パターンが生み出すリズムにより安らかな気持ちになり、この体験について深く考えるようになるだろう。

Hayesが目指すのは、建築環境や自然環境にこうした色と形を唐突に持ち込み、繊細なファブリックがもたらす反応を引き起こし、観る人に考える体験を与えることだ。

彼女はときに作品を風がたなびく自然のなかに置き、周囲の環境に出現したようすを写真におさめている。また、屋内に飾る場合には、鑑賞者の動きによって波打ち、鑑賞されることで生き生きとした作品となるのである。

展覧会のタイトル「Land Lines」は、地平線や視線などの「線」を意味しているという。同展では、ギャラリーの構造、空間内に配置された作品、手作りのパネルのクリアな線など、さまざまなラインが部屋を縦横に横切っている。End