NEWS | 建築
2020.06.01 17:15
イタリア北東部 フィエー・アッロ・シーリアル(Fiè allo Sciliar)の湖畔に、新しいレクリェーション施設「Lake House Völs」が完成した。
設計を手がけた同国の建築スタジオ noa* – network of architectureは、南チロルの牧歌的な湖のほとりに、モダンなデザインコンセプトと親しみのある伝統を織り交ぜた、自然と調和した建築を目指したそうだ。
海抜1,000mを超える、緑豊かな松林の山を背景にした風光明媚な立地で、訪れる人に年間を通じてリラクゼーションとレジャーを提供するため、更衣室やシャワールームが整った、ささやかながらも魅力的な遊泳用の小屋を新たに建設。
既存の古い施設は小さすぎ、障害者のための設備もなかったので、夏のさわやかな遊泳や冬のアイススケートなど地元の人のアウトドアスポーツ向け施設として、フレッシュで現代的なイメージに一新したという。
類まれな環境と調和させるために、2つのコンパクトな建物を隣接して設計。本館は、クラシックなサドルルーフのあるスナックバーで、一方は閉じ、他方はオープンなキッチン・カウンターとし、オープンロッジとテラスに接続。湖や新設された遊泳エリアの景色を一望することができる。
建築的にも機能的にも本館とアンサンブルをなす第2の建物は、更衣室などの共有施設となる。スケート靴にも耐えられ、濡れても滑らない床は、しっかりとした樹脂をこてで仕上げた。床や壁、天井はグリーンを基調とし、自然に溶け込むように屋内外の見た目の調和を重視。また、床や壁面の樹脂には、伝統的な南チロルのレースパターンを立体的にあしらった。
2つの施設をつなぐ木造構造はオープンな休憩所で、植物が伸びるつる棚としても機能する。数か月も経てばジャスミンが茂り、更衣室を自然の緑のなかに包み込んで、湖から見ると建物は一面が緑に覆われるそうだ。